スプリットキャストフォーマー
私は患者の咬合診査をする際にデジタル時代ではありますが、石膏模型と咬合器を用いて、目で見て手に取って診断するようにしています。その際に、この人が本来噛みたい顎の位置と、実際噛んでいる顎の位置との比較で、差異はあるのか?どれぐらいの違いかあるのか?を三次元的に確認するために必要なものが、模型は模型でもスプリットキャスト(刻み目がつけてある石膏模型)なのです。刻み目のオス型とメス型が一致するのかしないのか、するのならどれだけズレるのか、を確認するのに必須なものです。(写真参照)
この模型を綺麗に作製するには、スプリットキャストフォーマーというシリコンゴムでできている型が必要で、そこに石膏を流してスプリットキャストが完成となります。単純なものなのですが、今まで使用しているものがベストな形をしていました。ところがこの製品を提供してくれていたアメリカの会社がなくなり、品切れとなってしまったのです。(私は持っているのですが)これからこのフォーマーを使用したいけどできないで困っている先生方を何人も知っていました。どうしたものかと思っていたのです。
そんな矢先、朗報が飛び込んできました。ある先生のご尽力によって、長野県にあるゴム会社がこの形を復元していただいたとのことでした。先日この完成品が当院に届けられました。シリコンゴムではなくゴムなのですが、硬さも厚みもちょうどで申し分ないと思います。これで問題解決です!このために骨を折っていただいたU先生に感謝です。