ルートプレーニングの威力その2
初診の来院時から15年以上経過している症例を提示してみます。これまで一度も歯周治療を受けた経験がないという患者さんでした。左下の大臼歯(矢印部)に注目してみます。痛みなどの症状はないのですが、深い歯周ポケットの存在とともに、そこから出血や膿を認めます。結果的にはこの症例も外科治療は行わず、歯周基本治療のルートプレーニングで対応しました。
緑矢印部は深い位置まで骨が溶けている垂直性骨欠損となっていますが、ルートプレーニングで炎症起因物質を確実に取り除くことによって、約1年後の被せ物を装着する頃には、レントゲン写真ではなくなっているように見えた骨が確認でき、深い歯周ポケットはすでになくなり歯周病は治っています。そして約15年。メインテナンスを継続することで、健康な状態は維持され、さらに安定した歯槽骨がレントゲン像で認めます(赤矢印部)。