2021/08/25

お知らせ&院長のブログ

総義歯(総入れ歯)の人工歯排列

都心などで開業している同業者に聞くと、総義歯症例はほとんどないと言われます。しかし私たちの地域は全く当てはまりません。毎日のように調整や修理や新製など何かしら総義歯に携わっています。新製の際の技工作業に関しては、全て歯科技工士に委ねるのではなく、人工歯を排列する作業まではできる限り私が行うことにしています。これは開業以来ずっと継続していることです。どの位置に・どういう歯を・どのように並べるかで、患者さんの個性のみならず機能的な面も影響してきますので、術者自身が責任を持って行うことにしています。先日も診療終了後、いつものように技工室にて写真のような手順で人工歯排列まで行いました。

私のやり方:総義歯の土台となるロウ堤を作り、患者さんの顔貌やお口の中との調和がとれるように修正し、咬合採得(上下の位置関係の決定)をします。それを基準として上顎の前歯から臼歯→下顎の前歯から臼歯へと排列していきます。

総義歯はもともとあった組織の形態を回復させたものだと考えると、右下写真のように歯を失ってしまうと、それに伴い歯槽骨や歯肉もかなり失われることが(この症例の場合はですが、)このように見るとよくわかりますね。