総義歯(総入れ歯)でも決め手はやはり噛み合わせ(咬合)
総義歯の製作過程がどんなに完璧に進められても、最後の噛み合わせがズレていれば本来の機能を果たすことはできません。よく噛めない、落ちてくる、痛い、がセットになってついてくるものです(悲)。粘膜で支えられている総義歯は、力がかかれば容易に動くため、噛んでいるように見えても、実はしっかり噛んではいないという落とし穴があります。それをなくすために新規装着前には必ずリマウント作業を行うようにしています。
①仕上がった新しい義歯で、もう一度上・下の位置関係を記録(咬合採得)をします。
②患者さんの顎関節と上顎の位置関係が咬合器上で再現できるようにFace bow を用いて上顎義歯をまず咬合器につけます。
③上・下の記録した位置関係で今度は下顎義歯を咬合器につけます。(=リマウント作業)
咬合器を用いて上下の咬合接触状態を確認してみると、バランスよく当たっていない事がわかります。そこで(粘膜などのない動かない環境での)咬合器上で咬合調整をしていきます。→均等に咬合接触させる事ができました。総義歯の場合、この作業を直接口の中で行うことは困難です。
このリマウント作業という一手間が重要で、実際お口の中に装着した時はほとんど調整は要りません。