歯周治療による歯肉のクリーピング3〜補綴歯〜
前歯部の補綴(かぶせもの)は、装着した時が一番綺麗で、時間の経過とともに(特にむし歯というわけではないのですが)見栄えに問題が出てくるとよく言われます。それは歯肉が退縮していく(痩せる)ことから始まるのだと思うのですが、厚みの少ない日本人にはある程度仕方のないことなのかもしれません。
当院の補綴治療においても歯肉退縮は少なからずありますが、そんな中において、年月が経つごとに自然な感じになっていく症例も存在します。そのような症例は歯肉の退縮は見られず、むしろクリーピングが起きていることによりそう見えます。
歯周治療を行い、補綴を新しくやり直した、メインテナンス16年、18年の2症例を提示します。特に犬歯が多いでしょうか。歯を支えている歯槽骨の存在はもちろんですが、歯磨きが上手な患者さんで、歯と補綴の適合が良好、かつ表面がセラミック仕上げのものがクリーピングの条件のような気がします。