ルートプレーニングの威力その3
前回提示した左上犬歯の「歯周組織再生療法」は、今年の富山剱の会スタッフミーティングで当院歯科衛生士の一人が発表したものですが、その同じ患者さんの右下小臼歯のケースも提示させてもらいます。元々はこの歯が腫れたということが主訴でした。初診時のプロービングポケットデプスは左上犬歯と同様10㎜。頬舌的に段差のある垂直性骨欠損で、2壁性から根尖側で3壁性になっている状態でしょうか。
このような時は歯周基本治療でのルートプレーニングの出番です。10㎜あっても器材は十分に届く歯根形態です。歯肉にメスを入れなくとも歯科衛生士の力で上皮性付着による安定した治癒像が期待できます。メインテナンス中の現在、プロービングポケットデプスは3㎜となっています。